英単語学習法

文脈を利用した英単語学習法の優位性について

「英単語学習法一覧」で古今東西、いろいろな英単語学習法を紹介しました。

この中で文脈学習法も紹介しましたが、この文脈学習法こそ「イメージ」「理解」「使用」の3点を効率的に使用できる学習法なのです。

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文脈学習法の利点

文脈学習法の利点は、内容を「イメージ」しやすいことにあります。ニュースであれ何であれ何らかの筋がありますので、話のイメージと共に英単語を覚えることで、長期にわたって記憶を保持しやすくなります。

最近は文脈学習法の利点が注目されるようになり、このような文脈を利用した英単語学習書も増えてきているようですが、一方で市場では短文型のものが依然多くを占めてるようです。

原因として考えられるのが、これらの本を書いている著者が、このような方法で英単語を覚えてきたためだと推測できます。一昔前、英単語学習書と言えば、英単語と日本語訳が並べてある本しかありませんでした。

また、これら英単語学習書の著者は、そのほとんどが研究者や講師など英語教育の専門家です。

このタイプの人のほとんどが学生のころから英語好きで、英語の成績も優秀だったものと思われます。学生のうちは年齢的にまだ頭が柔軟なので、このような機械的方法で単語を覚えることができるのです。

一方、この方法は成人してから学ぶ人にとっては全く向いていません。機械的な方法では脳が受けつけなくなっています。英語好きの学生が使用した方法では、英単語を覚えることなどできないのです。

非文脈英単語学習書に見る効率主義一辺倒への疑問

世にある英単語学習法のほとんどが、効率よく単語を覚えることを主眼にしています。もちろんこれは重要なことです。しかしながら、効率を追求するあまり、かえって低効果に陥っているのではないかと私は感じています。

最もよく見受けられるのが、「新出単語の詰め込み」現象です。物によっては10語に満たない短文の中に、4個も5個も新出単語を詰め込んでいるものもあります。

新出単語の比率が高いものは一見効率的で、短時間で多くの新出単語を覚えることができそうですが、人間の記憶の原理から考えると、致命的な欠点を抱えています。

非文脈英単語学習書に見る新出英単語詰め込み現象の問題点

詰め込み型の問題は、「覚えること」に重点を置きすぎていることです。

短文の中に英単語を詰め込んだ学習書の場合、次から次へと新しい単語が出てきます。一方で新出単語の比率が高いので、これまで覚えた単語に出会うことは少なくなります。せっかく「覚えた」単語を「使用する」機会がなくなってしまうのです。

また、新出単語の密度が高いと意識が複数の単語に分散してしまうので、一個一個の新出単語の理解度が低下してしまいます。

おまけに文が短いためイメージを形成することも難しいので、結局単語が身につかずに終わってしまいます。

このように「イメージ」「理解」「使用」の三原則の点から考えると、短文詰め込み型は極めて効果の低い英単語学習法であると言わざるを得ません。

達人の秘密

これに対して、このような英単語学習書で英語を身につけた英語の達人もたくさんいるではないか、と思われる方も多いかもしれません。

確かにその通りです。このような進出単語の密度が高い英単語学習書を使用して英単語を身につけた英語の達人はたくさんいます。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。これら達人たちは、このような英単語学習書だけで英単語を覚えたわけではないのです。

英語の達人と呼ばれる人たちは、日頃からなるべく多くの英語に接するよう心がけています。新聞や雑誌を読んだり、ニュースや映画を見たりすることです。

これらの中で英単語学習書に欠けている「イメージ」「理解」「使用」の三原則を補っています。

英単語学習書で英単語を覚えたと思い込んでいる方もいるかもしれませんが、実際は日常の中で「使う」ことで身につけているのです。

おそらく、これらの英単語学習書にも「日頃からなるべく多くの英語に接するようにしましょう」といった趣旨の但し書きがあると思います。

しかし、英語を使う習慣がついていない学習者、特に仕事などで勉強時間をなかなか確保できない学習者の場合、これら英単語学習書に目を通すだけで終わってしまうことがよくあります。

せっかく単語を覚えても使わないので、結果的に英単語が身につきません。

だったらはじめから英単語学習の過程の中に「イメージ」「理解」「使用」の三要素を補ってしまおう、というのが文脈英単語学習法の主眼なのです。

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