TOEIC攻略法

TOEICリーディング読解パート(Part7)解答テクニック

TOEICリーディングパート7はパート5やパート6とは異なり、設問の形態によって解答の技法も異なってきます。まずは全体に共通するものを取り上げてから、次に設問のタイプ別攻略法について考えていきたいと思います。

実際の試験でTOEICリーディングパート7を解答する際問題となるのが時間です。これはパート7自体が処理速度を問う試験であることもありますが、それ以上に問題になるのは、大多数の受験者はリーディングパート7に来た時点で試験時間自体をほとんど使い果たしてしまっているという点です。

TOEICリーディングパートの解答時間

よく問題集で時間内に解き終わるように計算して解答するよう言っているものがありますが、あれはまさに上級者の考え方です。問題集や学習書を執筆されている先生方はもともと高い英語力を持った方ばかりなので、TOEICで400点そこそこしか取れない学習者の実感が分からないのでしょう。

400程度のスコアしかない受験者が全問解く速度で解答したら、ほとんど全て勘で解答することになります。

参考までにですが、私が初めて時間内に全問解き終わったのは800を超えてからでした。

ある程度しっかりと考えつつ全問解答するには、少なくともBクラス(730)以上の実力が必要になるものと思われます。

700以下の受験者はまず全問解答することはあきらめてください。数を稼ぐことも重要ですが、そのために質的なものが大きく影響を受けては本末転倒です。

TOEICリーディングセッションにおけるパートの選別

TOEICリーディングセッションでは時間配分は受験者の自由です。どこから解いても構いません。そこで、スコアの低い受験者はなるべく簡単なものから解くようにすることをおすすめします。

リーディングセッションは3つに別れていますが、パート6の難度がもっとも高くなっています。スコアが500台の受験者では歯が立たないことが多く、600台の受験者でも自信をもって解答できる問題はあまり多くありません。

更に悪いことに、500、600台の受験者の場合ある程度の文法力があるので、なんとか解答しようと考え込んでしまうことがよくあります。そして気づいたときにはすでに手遅れ、パート7を解答する時間がまったくなくなってしまいます。

それでもパート6のスコアが高くなればいいのですが、実際のところは考え込んだところであまり効果はありません。

一方TOEICリーディングパート7は40問ありますが、本当に難しい問題は数問しかありません。時間をかけたところで正答率はさほど変わらないパート6に貴重な時間をつぎ込むよりも、時間さえあれば解答を見つけることができるパート7に時間を配分した方が高スコアを望むことができるのです。

そこで、TOEICのスコアが600以下の受験者の場合、パート5を解き終わったらパート6を飛ばしてパート7を先に解くことをおすすめします。といっても後でパート6も解答しますので、10分ぐらいは残しておいてください。

こうすることで、パート6で考え込んでしまい、パート7の解答時間を使い果たしてしまうという事態を招くことを防ぐことができます。

そしてパート6はあまり考え込まず、軽快に解いていってください。1問30秒です。考えている時間などありません。一度設問文を読んで、すぐにわからなかったら 勘でマークしておけば十分です。

TOEICリーディングパート7における問題の選別

問題の選別はパート単位だけではなく問題単位でも行う必要があります。特にTOEICリーディングパート7は設問のタイプにより難易度がまちまちなので、スコアが低い受験者にとっては問題の選別がより重要になります。

一番簡単なのが表やフォームの問題です。これらはボーナス問題と考えていいかもしれません。一方で新聞記事や長文のレターなどは文字数が多くなるので、 自然と難度が高くなります。

これら新聞記事や長文のレターなど文字数が多い問題の中には設問が3つや4つ用意されているものがありますが、これらの設問の中には1つ妙に難度が高いものが含まれていることがよくあります。

そこで、スコアが低い受験者は長文の問題や設問数の多い問題は飛ばしていくことをおすすめします。

飛ばした問題は最後に解きなおせば十分です。残り時間が少なくなるとあせってしまい、本来簡単なフォームなどの問題も解けなくなってしまう可能性があるからです。

なお、飛ばす場合はマークする位置がずれないように気をつけてください。また、パート6も飛ばしている場合は、パート6用に10分間用意することを忘れないようにしてください。

スポンサード リンク

TOEICリーディングパート7問題形式別攻略法

次にTOEICリーディングパート7の問題形式別の攻略法について考えてみたいと思います。

TOEICリーディングパート7で出題される読解問題の形式はさまざまなものがありますが、よく見られるものは下記のようなものでしょうか。

  1. 表、グラフ
  2. フォーム
  3. 広告
  4. 案内、通知
  5. ビジネス関連文章
  6. 報道関連記事

形態が変わると注意すべき点も変わってきますので、一つ一つ見ていきたいと思います。

1.表・グラフ

難易度が最も低い問題です。サービス問題と考えて差し支えありません。このような問題は1秒でも早く解答し、貴重な時間を別の問題に当ててください。

特徴としては、数字がからむ問題が多いことが挙げられます。簡単な計算や数字の比較を要求するものが多いようです。

注意点ですが、特にありません。そもそも英語そのものがほとんどありません。数字関係の問題が多いのでケアレスミスに注意してください。

なお、この手の問題は学校英語の中ではほとんど見受けられないので、いきなり本番でぶつかると戸惑うことがあります。模擬問題集等でこれらの形式に慣れておいてください。

2.フォーム

アンケートの回答や、電話メモ、申込書などで使用される、一定の項目に記入する形で記述されている文章題です。

文章の目的が一目瞭然で、項目別に記入されていますので難易度はかなり低くなっています。これもサービス問題と考えていいでしょう。

解答に際しては設問をしっかりと読み、必要な項目の部分を問題文の中から探し出します。このタイプに関しては、文章を読む必要は全くありません。

3.広告

広告はその形式がもっとも豊富なタイプです。同じ広告でも旅行関連の広告と求人広告では随分と形式が変わってきます。

旅行広告やその他商品の広告などは値段や期間が重要になってきます。これらの情報は分かりやすい位置に記載されているので見つけるのは容易です。

しかし、問題によっては但し書きの部分に例外について記載し、その部分を問うものもありますので注意してください。

また、このタイプの広告の場合、冒頭にキャッチコピー的な文章が埋め込まれている場合があります。これらには抽象的な表現が含まれていることがあり、惑わされてしまうことがあります。

しかしながら、このような部分は通常問いにはならないので、よく理解できなくてもそのままにして問題を解きすすめてください。

一方求人広告の場合、特定の単語がポイントとなる傾向があります。設問では応募者資格や条件等に関するものが必ず含まれてきます。

資格(Qualification)や経験(Experience)、職責(Responsibility)といった単語が設問に直接からんでくるので、問題文を読む際はこれら単語に留意して読み進めるようにしてください。

なお、広告文すべてに共通していることとして、省略語が多いという特徴があります。これらは知っているのと知らないのでは処理速度に大きな違いが出てくるので、よく使用される略語については日頃から意識して覚えていくようにしてください。

4. 案内、通知

公共サービス関連の通知やイベントの案内などです。文章は短く、やさしめです。長文のものはほとんどありません。

このタイプは種類は豊富ですがパターンは一定なので、問題に慣れてしまえば解答に時間を要することもなくなります。

注意点としては、このタイプも数字がからむ問題が多いことです。広告の場合と同様文章の中に但し書きが入っている場合もありますので注意してください。

なお、図書館やその他施設等の開閉時間に関連した問題で、夏時間というものが設定されているものがあります。通常夏時間は1時間繰り上げになるのですが、 日本では導入されていないので実感がわかないと思います。このあたりが但し書きに含まれていることもありますので注意してください。

5.ビジネス関連文章

文章による問い合わせやクレームなど外部文章と業務報告などの内部文章があります。最近は時代を反映してかEメール形式の文章が多くなってきているようです。

このようなメール形式の文章については、「差出人」「宛先」「用件」「日付」をはじめに確認してください。差出人と受取人の立場(役職)の確認も必要です。

それからこのメールが「なぜ」「何のために」送られたものなのかを把握するのがポイントです。

このようなメール形式の問題は文章量が多いものもありますが要点は限られています。スキミングとスキャニングの力が問われる問題形式です。

6.報道関連記事

難易度が最も高い形式です。長文のものが多く、語彙力も問われます。また、見出しすらなく、ひたすら文章がつづいているものもあるので、問題を一目見ただけでテーマが分かるとは限りません。

このような問題を効率よく解答するには英文の文章構造を把握する必要があります。まずは文章の要点をおさえるよう努力してください。ニュース記事の場合はほとんどの場合冒頭に要点が記載されています。

解答に際してはパラグラフ単位で意味を取りつつ随時設問文を確認するようにしてください。消去法も有用です。明らかにおかしい選択肢はどんどん消していってください。

スポンサード リンク

TOEICリーディングパート7即答のコツ

最後にTOEICリーディングパート7の即答方法についてまとめておきたいと思います。

問題を開いたらまずレイアウトに注目してください。レイアウトでだいたいどのタイプの問題か把握できます。それから活字の大きなものや太字、斜体文字に目をやります。これだけでだいたいの内容は推測できます。

次に設問へ目をやります。重要なのは設問文の疑問詞です。何について聞いているのかしっかりと頭に叩き込んでください。

それから改めて問題文に戻ります。だいたいどのような文章で、何について聞かれているのか分かっていますので、答えを「探す」ように読んでいきます。

文章を読むのではなく、答えを探しているんだ、という意識を持って目を動かしてください。

文章題の場合は要点をいち早くつかむことが肝心です。重要そうな部分は読む速度を落とし、しっかりと意味を取っていきます。

問題文を読んでいる途中で改めて設問を確認するのは問題ありません。私も読みながら何度も設問に目をやります。答えが見つかった時点でマークしていきます。マークが全て埋まったらもうその文章に用はありません。次の問題へ移ります。

言い換えに注意

解答に際してですが、TOEICリーディングパート7の設問の解答は本文の言い換えになっていることがよくあります。

単語の言い換えである場合もあれば、構文や否定・肯定の言い換えである場合もあります。

逆に本文そのままの表現を使用されているものはひっかけである場合がよくありますので、特に解答に自信がない場合は注意してください。

また、このような選択型の問題は消去法が有効です。すぐに答えが見つかるような簡単な問題であれば必要ありませんが、難易度の高い問題を解く場合には役に立ちます。

テクニックの紹介はこれで終了です。これらのテクニックを使いこなすことにより、本来の実力以上のスコアを獲得することも可能ですが、TOEIC高スコアそのものが目的でない場合はあくまで実力の向上に力を入れるようにしてください。

スポンサード リンク